K's SELF
'井川慶'本人からのメッセージをお伝えします。

2007/5/5

突然のリリーフ登板 from New York

レッドソックス戦の登板結果は、6回0/3、2安打、無失点、6奪三振でした。

先発予定だった試合が雨天順延され、その後は中継ぎ陣が疲労しているというチーム事情もあり、28日からは自分がリリーフ登板するためにブルペン入りすることになっていました。調子がよくない試合が続いていましたし、ブルペンで練習できると前向きに捉えていました。

ところが28日のレッドソックス戦、ブルペン入りする間もなく、先発投手のカーステンス選手が右膝外側に打球を当てて負傷したため、ベンチにいた自分が1回無死一、二塁から緊急登板することになりました。メジャーでは初めてリリーフのマウンドでしたが、長いイニングを投げることよりも、打者一人一人アウトを取ることだけを考えて投げました。

先発だとゲームを作るという役割があるため、序盤は8割くらいの力で投げなくてはなりません。しかしこの日は、一球一球腕を強く振り、力のある真っ直ぐを投げることができたように思います。コントロールは適度に荒れていたものの、腕を振った分だけチェンジアップとのコンビネーションが効果的でした。真っ直ぐとチェンジアップの組み合わせを主体にしているところに、時折スライダーを織り交ぜて、うまくカウントを整えることもできました。

オープン戦からここまでで一番腕を強く振れた試合でしたし、内容はメジャー登板中最高の出来だったと思います。ヤンキースタジアムのファンは、緊急登板した自分が役割を果たしたことを理解してくれていたようで、交代してベンチに向かうときにスタンディングオベーションで迎えてくれました。6回0/3で降板して拍手をもらうのは初めての経験でしたが、気分がよかったです。

チームは先発投手陣の故障が相次ぎ、苦しい状況が続いています。自分にできることは、与えられた試合で力を出しきって、認められるように頑張ることだけです。次回もこの登板の経験を活かして頑張りたいです。